産経新聞メディアビジネス局ポータルサイト SANKEI Media Labo

menu

広告事例

セミナーレポート「経営に効く攻めの経理DX~AI時代を見据えた業務改革と心得~」 2024年5月28日(火)開催

武田雄治氏が考える「経理部を『経営の中枢部門』に進化させる方法」

基調講演の武田雄治氏は、経理部が単なるデータ処理部門にとどまらず、企業の中枢部門として進化する方法について解説しました。経理部門は、情報の入手、加工・変換、提供・報告の全てを担う「情報の製造工場」として機能し、企業の経営を支えるべきだと語りました。

武田氏は経理部の進化を三段階に分けて説明します。第一段階は「情報倉庫業」、次に「情報製造業」、そして最終的に「情報サービス業」へと進化する過程です。経理部門は、ただデータを入力するだけでなく、付加価値ある情報をタイムリーに提供することが求められます。そしてその情報を基に経営をサポートし、企業価値を高める役割を担うといいます。

この進化を実現するためには、社長や経理部トップの意識改革が不可欠です。また、経理部員も「仕訳屋」や「決算屋」から脱却し、企業の成長に貢献できる部門へと変わる必要があります。さらに、デジタル変革(DX)のみならず、企業全体の変革(CX)やバックオフィスの変革(BX)も推進することが求められと話しました

具体的な方法として、武田氏は決算早期化や業務のマクドナルド化(標準化・簡素化)を提案しています。経理部門が業務の効率化を図り、自社でセルフ監査を実施することで、外部監査への依存を減らし、内部統制の強化を図るという方法です。

武田氏は、「経理を変えれば会社は変わる」という理念のもと、多くの企業の経理部門の改善に取り組んでいます。経理部門が経営の司令基地となることで、企業全体の成長と発展を支えることができると強調しました。

流創・前田康二郎氏「AIとの共存経理をプロフィット部門へと変革する方法」

前田康二郎氏の講演では、経理部門のデジタル化とその後の役割変革について解説されました。前田氏は、経理部門がデジタル化(DX)を進め、作業の効率化を図ることが、企業の売上・利益の向上につながると強調します。DX化は、単に業務を効率化するだけでなく、経理部門がプロフィット部門として評価されるための重要なステップだと語ります。

まず、前田氏は経理業務のデジタル化のメリットを挙げます。AIによる予測変換や入力作業の簡易化、データの可視化によって、属人化の排除や不正防止が可能になります。これにより、経理部門の業務効率が大幅に向上し、全社的な効果が期待できると述べます。

次に、デジタル化で生まれた余剰時間を有効活用する方法について説明します。経理部門はデータ分析や新規事業の提案など、売上・利益の改善に直接寄与する業務にシフトすることが求められます。具体例として、デジタル化されたデータを活用して経営陣や現場に有益な分析結果を提供し、新規事業の提案を行うことが挙げられました。

前田氏は、経理部門がプロフィット部門として進化するためには、社員の意識改革も重要であると強調します。経理社員は単なるコスト部門の人材ではなく、企業の成長を支えるプロフィット人材としての自覚を持つべきです。このためには、経営者からの評価を得ることが不可欠であり、経理部門への投資(人材・ソフトウェア・教育)も重要です。

最後に、前田氏は経理部門の進化が企業全体の利益につながることを示し、「攻めの経理」を実現するための具体的なステップを解説しました。経理部門が自社の売上・利益の伸長に貢献することで、企業全体の競争力を高めることができると話しました。

<協賛企業>Sansan株式会社/株式会社マネーフォワード /株式会社ラクス/ 株式会社LayerX

PAGE TOP