関西におけるDX推進と近畿経済産業局の取り組み
オープニングキーセッションとして、近畿経済産業局の土屋氏が「関西のDX推進の現状と取組」について発表。中小企業を中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性と、それを支援する様々な施策を紹介した。また「関西デジタル・マンス」や「KANSAI DX AWARD」などDXを促進する取り組みとともに先進企業の事例を紹介した。
中小企業に求められる「攻めと守りのDX」
基調講演のエムティブレイン・山口透氏は、攻めのDXでは、新技術を駆使して市場での競争優位を築くこと、守りのDXでは、既存のビジネスモデルをデジタル化し、効率化と持続可能性を高めることが重要であると説明。
バックオフィスから製造現場、マーケティングにいたる社内の各種業務におけるデジタル化の必要性や進め方について具体的な事例をもとに解説。また、生成AI(ChatGPTなど)の活用がDX戦略における重要な要素であることを強調した。
吉本興業、エンタメDXで新プラットフォーム「FANY」を展開
つづいて特別講演に吉本興業のデジタル変革を推進するFANYの梁弘一氏が登壇。梁氏はエンターテインメント業界に新たな風を吹き込むBtoCプラットフォーム「FANY」を立ち上げた。
FANYはコロナ禍でのエンターテインメント需要の変化に応え、オンラインでのライブ配信やイベントを提供。この取り組みは、吉本興業のデジタル事業拡大と、芸人やアーティストに新たなパフォーマンスの場を創出するなど、業界のDX推進事例として注目を集めている。
錦城護謨・太田社長「中小ものづくり企業こそDXを」
最後に中小企業のDX先進事例として、錦城護謨・太田社長が登壇。錦城護謨は1936年創業の大阪に本社を置くゴム製品メーカーで、製造プロセスにAI自動検査システムを開発し導入した。省人化や業務効率化だけでなく、地域経済の活性化なども評価され近畿経済産業局長賞を含む数々の賞を受賞し、業界内外から高い評価を得ている。
太田社長は「人手不足が進む中でDX化は避けられない、中小企業こそ単純業務を効率化して、人がやるべき仕事に注力すべき」と説いた。また今後は様々なパートナー企業とともに、日本のものづくりを世界に発信したいと語った。
<協賛企業>株式会社カオナビ/株式会社セールスフォース・ジャパン/アステリア株式会社/Sansan株式会社/株式会社マネーフォワード/株式会社SmartHR/株式会社LegalOn Technologies